わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

【苺の断面図】とちおとめ

【苺の断面図】とちおとめ

とちおとめです。
苺の品種やブランドにそんなに詳しくないわ~、という方でも、とちおとめという名前だけは知ってる!という方も多いのではないでしょうか。

とちおとめは全国どこでも目にすることが出来る品種のひとつ。
私が東京に住んでいた頃は、やはり近場から品物が集まるからなのか、とちおとめの生まれ故郷である栃木県や茨城県で栽培されたとちおとめを多く目にしました。
でも、岐阜県に戻って来てからは、愛知県産や岐阜県産をよく目にするようになったかな、と思います。

【苺の断面図】とちおとめ

栃木県農業試験場で育成された、とちおとめ。1996年に品種登録されました。
安定感のある食味によさが指示され、あっという間に東日本のシェアNo.1を獲得し、その後も長年にわたり人気を誇っている苺です。
現在は全国各地で栽培されており、全国的に目にする機会が多い苺となっています。

私のいちごだんめん図鑑にも、もちろんとちおとめは掲載しています。
とちおとめについて、私はこう書きました。

 

品種登録から8年弱で生産量日本一、同郷の「女峰」を抑えて東日本のシェアNo.1にのぼりつめたいちご界のスーパースター。流通に適した適度なかたさ、甘さも酸味も兼ね備えたおいしさがトップたるゆえん。

【苺の断面図】とちおとめ

とちおとめの断面図

そうなんです。誰でも知ってる、どこでも見かけるとちおとめは、まさにいちご界のスーパースターといっても過言ではありません。
というか、スーパースターになるべくして誕生した苺、と言ったほうがいいかも。

とちおとめの交配親は、久留米49号栃の峰という品種。どちらも当時の優良品種と言われていました。つまり、エリート一家にうまれたという訳。そりゃ人気も出るわ…って感じです。

その証拠に、とちおとめは交配親のよい部分をしっかりと受け継いでいます。久留米49号は果実のサイズが大きめで多収性あり、栃の峰は甘い品種と言われています。
親の七光りではなく、実力もきちんと兼ね備えているのがとちおとめなんですね。
中には小粒サイズで出回るとちおとめもありますが、一般的には大粒もよく出回っていますし、甘さと酸味のバランスがよい苺だなあ、と感じます。

【苺の断面図】とちおとめ

いちごだんめん図鑑でも触れていますが、その昔、栃木県では東の横綱と呼ばれていた女峰(にょほう)という苺が主流でした。…が、そんな女峰よりも果実が大きく、食味のよい品種を目指して育成を行い誕生したのが、このとちおとめ。
あっという間に人気者となったとちおとめですが、新品種の苺はその後も次々と登場します。当時、大人気だったとちおとめに負けない品種を!と全国各地で苺の新品種が開発が行われたのです。

女峰と世代交代をしたとちおとめですが、そのとちおとめ自身も世代交代をすべく、同じ出身地である栃木県からはスカイベリーとちあいかなどの新品種が誕生しています。
また、福岡県のあまおうなど、栃木県以外でも苺の新品種は誕生しており、今ではとちおとめに並ぶ知名度や人気を獲得しているのです。

今は当たり前のように見かけているとちおとめですが、もしかして数年後にはほとんど目にしなくなる時代が訪れるのかも知れません。
普段、見慣れているのでつい「いつでも食べられるし」と思ってなかなか記事を書く機会がなかったのですが、そんな時代が訪れてしまうかも知れないので、今のうちに記録として苺の断面図と共にここに記しておきたいと思います。