すでにTwitterでつぶやいてますが、岐阜県でなんと!女峰(にょほう)を発見しました!
香川県産、#女峰(にょほう)。栃木県生まれ、昔は🍰の苺と言えば女峰!🍓というほど人気があった品種ですが、現在ではほとんど市場に出回る事がなくなりました。#はるのか、#ダナー、#麗紅 などを交配して誕生したとても美味しい苺なのに残念です。甘みも酸味も強め。#苺の断面図 pic.twitter.com/2AIvFwT9Wl
— わたなべ まこ@だんめん図鑑 (@danmenzukan) 2020年4月18日
しかも、つぶやいたあとに発覚したのですが、生産者さんがTwitterをされていてなんとネット上で生産者さんにも出会えたー!Twitter万歳!
いちごだんめん図鑑にも掲載している、女峰という品種の苺。
栃木県生まれで、昔はケーキの上にのっている苺は女峰、というくらい全国に出回っていた品種です。ちょうど、私より上の世代の方々にとっては、子供の頃に食べた昔懐かしい苺、という存在なんじゃないかなあ。
いちごだんめん図鑑に掲載する苺の品種をリストアップした時も、絶対にこの品種だけは掲載したいんです!と、担当さんを説得して半ば強引に(笑)掲載した思い入れのある品種でもあります。
と、言うのも、昔は「東の女峰、西のとよのか」と言われるほど絶大な人気を誇っていたこの品種。例えるのであれば、ジャ〇ーズ名鑑を作る際に「確かに今人気があるのはSMAPや嵐かも知れませんが、でもその前に一世を風靡した光GENJIや少年隊などの掲載しない訳にはいきませんよね?」みたいな(笑)。
なんというか、この品種を差し置いて「今」人気がある品種だけを掲載する気には、どうしてもなれなかったんですよねえ。
とは言え、この女峰はのちに誕生するとちおとめと世代交代をしてしまい、じょじょに生産量も減ってしまっていて、現在は主に香川県で栽培されている女峰しかほとんど市場には出回っていないのです。
いちごだんめん図鑑の撮影用に女峰を探し回った時も、本当に苦労しました。確かその時も、JA香川から出回っている女峰だったんじゃなかったかな。
いちご王国・栃木県で誕生し、1985年に品種登録された女峰は1990年代頃まで広く出回っていました。交配親ははるのか、ダナー、麗江などが混ざっているとの事。
女峰は個人的に、とにかく姿形が美しいなあ、と思います。いちごの優等生のような、綺麗な円錐形を保っています。赤色と白色がちょうど半分ずつくらい。維管束も太くてしっかりとしています。ハッキリ見えますよね。
最近はいちごの新品種もどんどん誕生していますが、ほとんどは甘さが強い品種となっています。なので、この女峰を今食べると「ちょっと酸っぱいかも」って思うかも知れませんが、これが女峰の美味しさのヒミツなんじゃないかな、と私は思います。
酸味も強いんですが、甘さもちゃんとあるので、メリハリがきいている味というか。甘酸っぱい、ってこういう味なんだな、って感じ。
ケーキの上に使われていたその理由は形の美しさもあるのですが、女峰は果肉がちょっと硬めで、写真の通り、カットしてもつぶれる事なく見栄えがとてもいいんです。つまり、加工がしやすい苺だったんですね。
現在でいうところの「あまおう」もそうですが、果肉が硬いと輸送にも耐えられるので、全国的に出回る事ができます。女峰が人気を博した理由のひとつに、その果肉の硬さもあったんじゃないかな、と思います。