わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

【桃の断面図】紅国見(べにくにみ)

【桃の断面図】紅国見(べにくにみ)

Twitterでいつも仲良くさせて頂いている、ふくももさん(@kuniminomomo1)に今年も送って頂きました!福島県産、紅国見(べにくにみ)です。

この桃はなかなか市場に出回る事がなく、比較的なんでも揃う東京でも滅多に見る事がありませんでした。たまに駅の中とかでやってる福島県の催事イベントなんかで入手出来ればラッキー、みたいな感じだったかな。あとはネット通販とか。

ちなみに、産地である福島県であれば道の駅とかでも買えると思います。ただ、この紅国見って名前の由来でもある福島県国見町が発祥の地なので、確実に欲しい場合はそのへんに行くといいと思います。

紅国見は福島県伊達郡国見町の佐藤秋元さんが育成した桃で、あかつき(という品種の桃)の実生と言われています。糖度はかなり高く、15度を超えるのも珍しくありません。
果皮は着色がよく濃い紅色に染まりますが、果肉の色は着色が少なく白からクリーム色の間くらいかな。1玉で220~250gくらいの小玉傾向にあります。

【桃の断面図】紅国見(べにくにみ)

紅国見は外皮の色合いが他の桃と違って、ちょっと独特なんです。
なんというか、深みのある紅色だなあ、と思います。 糖度も非常に高く、これまで食べて来た紅国見はどれも「甘い!」って感じの桃が多かったです。
ハズレがないというか。

こんなに美味しいのに、なんでスーパーとかで普通に買えないの?と思ってしまうのですが、写真ではちょっとわかりにくいんですけど、この紅国見という桃はサイズがちょっと小さめの桃なんですね。 手のひらにすっぽりとおさまってしまうほどの大きさなのです。

スーパーなどに並んでいる桃を見てみると、どれも大きくて立派な桃が多いです。選ぶ時も、ついつい大玉のほうがお得かな?なんて思ってしまいがち。 そう、紅国見はとっても美味しいのに、他の大玉(というか一般的なサイズの桃)に競争力で負けてしまうので、次第に生産者さんも減ってしまい、いずれ食べられなくなってしまうかも知れない…と言われている幻の桃なのです。

【桃の断面図】紅国見(べにくにみ)

紅国見の断面図

紅国見の断面図はこんな感じです。

この桃の特徴はとにかく甘い!というほかに、一般的にイメージされる桃よりも少し硬い食感である事も挙げられます。初めて食べる人は「桃選び、失敗したかも?」って思ってしまうほどの硬さです。例えるのであれば、林檎や梨、熟す前の柿くらいの硬さでしょうか。歯ごたえがあって、サクサクと食べられる桃なのです。

桃の断面図を撮影する時、アボカドのようにナイフでクルリと一周切れ込みを入れてから、くるっとひねるのですが、紅国見は硬い桃なので綺麗にひねることができました。柔らかい桃だと、握力で桃が先に潰れてしまうので綺麗に割れないんですよ~。
外皮の色合いも独特ですが、桃の断面図の色合いも独特です。この、ピンクからグリーンへのグラデーションがなんとも愛おしい。

【桃の断面図】紅国見(べにくにみ)

紅国見の断面図(種なしバージョン)

果肉が硬いので、林檎のように皮もナイフでスルスルと剥く事が出来るんですよ。まあ私は気にせず、皮ごとパリパリと食べてしまうのですが…。
小玉サイズの桃ではありますが、1人でまるごと1個をペロリと食べる分にはちょうどいいサイズなので、実は私、この紅国見という桃はかなりお気に入りなのです。

硬い桃なんて食べた事がない!って方にも一度は食べて貰いたいなあ。硬いけどちゃんと甘い、とビックリする事、間違いなし。それでも、桃の硬さがやっぱり気になるな…っていう場合は、2~3日常温で転がしておけばちょうどいい食感になると思いますよ。