わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

桃の家系図 2021

2021年8月12日、およそ3年ぶりに桃の家系図 2021を公開しました。最新作です。

前回はまだ私が市場で働いていた頃に公開したのですが、その後、私は市場を離れて地元・岐阜県に戻り、コツコツと桃の断面図を撮りためていたのです。
幸い、岐阜県のお隣・長野県も桃の産地として有名ですし、桃農家さんから直接桃を送って貰うなど、まだ食べた事がない&桃の断面図を撮影していない桃に出会う機会に恵まれまして、自分で思ってたよりもだいぶ桃の断面図を新しく追加することができました。マジみなさまに感謝です。

ここで、桃の家系図ができあがるまでを少し振り返ってみたいと思います。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

桃に限らずですが、私はフルーツの品種をこんな風にエクセルなどのソフトを使ってリストにまとめています。これは桃ですが、苺や葡萄、柑橘などのリストも作成しています。

新品種の情報が入ったらメモ代わりにここに書いたり、交配親やその品種にまつわるエピソードなんかも書いておきます。これはあくまでもメモのようなものなので、ネット上の文章をそのままコピペしておく事もあるかな。
で、家系図などの断面図の何かを作成する時や、過去、だんめん図鑑を作成した時なども、こういうリストから掲載したい品種をいくつかピックアップしていくのです。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

次に、自分が持っている桃の断面図の撮影データを整理して、くり抜き画像をひたすら作ります。ひたすら作ります(2回言った)。
これがめちゃくちゃ、しんどい。単純な作業の繰り返しなんですけれど、桃の断面図の汚れを取ったり、少し明るさの補正をしたりと、微調整もここで行います。

で、全くの新規で家系図を作る場合は、まず手作業でA4の紙にピックアップした桃を交配親を確認しながら地味~に描いていくんですけど、今回は過去に自分が作成した桃の家系図を参照しながら(笑)ある程度の骨組みを作っていって、今回新しく加えた品種を入れるためにレイアウトの一部を変更しながら作成しました。
時間で言うと、1日1時間くらいの作業を1ヵ月半くらいかけてやった。全くの新規で作る場合は2~3カ月くらいかかります。
集中力が続かないので、1日中ひたすら作るとか無理です。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

で、いきなり完成まで進んじゃいますけれど。
前回と同様に、家系図を繋ぐ線は3種類。ピンクは交配(ハートで繋がっている桃同士の掛け合わせ)、イエローはその交配で誕生した桃、グリーンは枝変わりを表しています。

黒い「新」のマークは、新品種という意味ではなく、今回の家系図(2021年版)に新しく追加された品種、もしくはイラストから桃の断面図の写真に差し替えられたものを意味しています。つまり、私はこの桃の家系図に掲載されている写真の桃はすべて食べたという事ですね。我ながらすげえな。
清水白桃とかも、昔、まだ市場にいた頃に食べた事があるんですが、その頃はまだ断面図に目覚めてなかったから写真がないんだよねえ。残念。

日本における桃のご先祖様は、一般的には上海水密桃と言われています。天津水密桃もそうなんだけど、どっちかというと上海水密桃のほうが味がよかったから子孫がどんどん作られていった…とかなんとか、そんな話じゃなかったかな?
そして、この桃のイラスト(フリー素材です。ありがとうございます。)のように、よく絵本に出てくる桃のイメージに近い「先が尖っている桃」というのが、天津水密桃にあたるそうです。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

今回、作ってて「わー」と思ったのが、あかつきの子孫が多すぎやしないか…?という事。交配親を調べてみると、あかつきの枝変わりという記述が多い事、多い事。
で、全部食べた訳なんですが、不思議とどれも味が違うし、桃の断面図もしっかり違うんですね。親が同じなのに不思議ですねえ。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

桃の家系図 2021を公開してからの皆さんの反響を見ていて、ワッサーの知名度と人気がこの数年で随分と高まってきてるんだなあ、と感じました。
今から数年前、まだ市場にいた頃に「珍しい果物があるよ」と市場の方に教えて頂いたのが初めての出会いだったかなあ。その後、岐阜県に戻ってきてから長野県の道の駅で再会したんですけれども。
ワッサーはなんと、桃×ネクタリンの交配で誕生したハイブリッドな品種です。でも最近はこういう掛け合わせで誕生している品種が多いみたい。

そして、今年は食べられなかったんですけど私が住んでいる岐阜県のオリジナル品種・飛騨おとめもどうぞよろしくお願いします。同じ岐阜県内なのに、なかなか出会う事ができない不思議な桃です。マジどこで買えるんだ。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

時間なかったからそのまま引き継いじゃったんですけど、さすらい系ってなんぞや?という事。これは、交配親が不明の品種をグループにしているものですね。どこから流れてきてどこへ行くのか、さすらいの旅人のような桃、というイメージです。
最近はこういう、交配親がよくわからん謎の桃も増えてきてます。調べても身元が判明しな品種とかも多くなってきたので、家系図にするのも一苦労です。

桃の家系図 2021を公開しました\(^o^)/

白鳳は全国的によく知られているし、比較的入手しやすい桃だと思うのですが、その子孫も沢山います。全く一緒、って事はないのですが、食味の傾向は似ていると思うので、好みの桃を選ぶ時の参考にもなると思います。

*****

最近、苺などはスーパーでも品種をきちんと明記して販売しているのを見かけるようになったのですが、それに比べると桃はまだまだかな、と感じています。
出荷や仕入れの手間などを考えると、安定した供給を優先させるためにある程度仕方ない部分もあるんだろうなあ、というのはわかるのですが、でもやっぱり、ちょっと寂しいなあとも思っていて。

なので、せめて桃の品種はこんなにも沢山あって、なんなら家系図が出来ちゃうくらいみんな繋がっているんですよー、って事を沢山の方に知って頂けたらな、と思って作成したのが、こちらの桃の家系図です。
桃の産地が近い直売所や道の駅などでは品種がきっちり明記されている事のほうが多いですし、今はネット通販でも桃を買う事ができますもんね。
よかったら桃の家系図を参考に、いろんな桃を品種ごとに食べ比べてみたり、自分の好みの品種の桃を見つけて貰えたら嬉しいでーす。

おわり。