わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

私が住んでいる地元・土岐市をはじめ、多治見市や瑞浪市は陶磁器の産地として知られています。
以前、土岐市にある織部の里公園に見学に行った事があるのですが、陶磁器(美濃焼織部焼)の歴史について触れる事ができてとても楽しかったので、今回はお隣の瑞浪市まで足をのばし、瑞浪市陶磁資料館まで行ってきました。

瑞浪市を含む東濃地方は、原料となる粘度、燃料となる薪(木)などに恵まれていた事から、なんと1300年以上も前から焼き物が焼かれてきました。そんな、様々な種類の焼き物や生産用具などを展示しているのが、この瑞浪市陶磁資料館なのです。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

楕円ロクロ

瑞浪市陶磁資料館では、東濃地方でつくられた焼き物や陶磁器の生産用具などを常に収集しているとの事で、寄付されたものもいくつかあるみたいです。
なんか…子供の頃にこんなの見た記憶があるなあ…っていうのも結構ありました。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

楕円ロクロというもので、楕円形のお皿を作る機械ですね。その隣には、土を練る機械=土練機が展示されていました。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

土練機(クネットマシン)

こんなの。別名、クネットマシンっていうんだって。

焼き物とは、細かく砕いた土や粘土、石などに水を混ぜて形をつくり、熱を加えた道具のことを指します。食器以外にも、暖房具や建材、工業製品などにも多用な焼き物が使われているのですね。
焼き物は「陶磁器」などとも呼ばれますが、厳密にいうと陶器と磁器は種類が異なります。陶器は主に粘土のみでつくられるのに対して、磁器は粘度に石粉(=ガラス成分の粉)が混ぜられた原料を使います。
まあ簡単にいうと材料が違うって事ですね。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

そして、ここから屋外展示施設へ。

展示されている道具などの多くは、国の登録有形民俗文化財に登録されています。かなり古い道具などが展示されていますが、見ごたえは十分です。
このへんは水車の力を使って釉薬をすったり、石を砕いたりする機械だったかな。昔は電気なんてなかったので、ほとんど水車の力を利用してたみたいですね。
江戸時代後期までは人力で原料を砕いていたみたいですが、幕末になると水車の利用が普及し嘉永3年(1850年)には小里村の庄屋と住職が、水車に複数の杵を取り付ける水車を考案し、原料の飛躍的な増産が可能となったのです。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

同じ水車でも、こちらは釉薬をするための水車。
ちょうどこの頃、外国から新しい釉薬の原料も日本に入ってきたようで、これらの水車を活用し種類豊富な絵具釉をつくりだし陶磁器産業の発展に貢献しました。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

こちらも屋外にある展示物です。
ここはぶっちゃけ、お金を払わなくても見ようと思えば見られるエリアにあるので、近所にある公園とか瑞浪市化石博物館などを見学したついでにチラッと見てみても楽しいかも知れません。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

連房式登窯は17世紀の初め頃に美濃に導入された窯です。その名の通り、房(窯)がいくつも連結しているのですが、階段状になっているのが特徴。織部から磁器まで、幅広く焼成されているのです。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

窯の一番下の部分から火を入れると、階段状(斜め)になっているので、上へ上へと火がのぼっていくのですね。
窯を横から見るとこんな感じ。こんな風に横からも入れるので、ここからたぶん焼き物を出し入れできるんじゃないかな、と思います。階段になってるから移動も楽にできます。

【瑞浪市】瑞浪市陶磁資料館(常設展示)

この窯の中にも穴があいていて、そこから火や熱が伝わっていくという仕組みです。
最近だと朝ドラの「スカーレット」にも穴窯として登場していました。こんなに長くはないのですが、信楽焼日本六古窯のひとつであり穴窯への挑戦がドラマの後半の大事なエピソードとして描かれています。窯の主流だったこれらの窯も、最近ではほとんど使われる事がなくなってきており、こんな風に見学用として保存されているものしか見る事が出来ないんじゃないかなあ。

陶磁器とか窯とか、興味ない方にはつまんないかも知れませんけれど、私はこういうの大好きなので念入りに見学してきました。

瑞浪市陶磁資料館
https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/1004960/touji_museum/index.html