わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

【桃の断面図】アルプス美人

【桃の断面図】アルプス美人

山梨県産、アルプス美人という桃を買いました。
近所のスーパーでは今の時期、白鳳あかつきなどの品種の桃が並んでいますが、アルプス美人は某スーパーにしか置いてなかった…!ここのスーパーのフルーツ担当のバイヤーさん、素敵すぎる。
アルプス美人は山梨県南アルプス市でしか栽培されていない、貴重な桃となります。

【桃の断面図】アルプス美人

アルプス美人という名前はネットで検索してみると、品種という情報が圧倒的に多いのですが、なかにはブランド名という情報も…どちらが正しいのかな?
ちなみに農林水産省の品種登録にはその名を連ねておりません。 栽培されている地域では、一葉という品種の桃が出荷される場合にランクによってアルプス美人という名前がつけられる、なんて情報もありました。
誰か真実を知る方がいればご一報下さい。

アルプス美人は中晩成種の桃で、通常7月下旬頃から収穫されるそうなので、まさに今が最盛期の桃なんですね。

【桃の断面図】アルプス美人

とっても美人さんな桃でした

ハッキリとした交配親は不明なのですが、グレートジャンボあかつきという品種の実生もしくは枝変わりとの事で、一部はあかつきとして出回っている可能性も高そう。
アルプス美人の特徴として、かなりの大玉傾向にあることが言えます。片手で持つと桃が大きすぎてはみ出してしまいます…!

【桃の断面図】アルプス美人

パッと見た印象では、大玉ということもあって白鳳っぽいな~、って感じがするんですけども。外皮の色づきもそれほど濃くはないですね。少し黄色がかったピンク色をしていました。でもカットする前からすでに桃の甘くていい香りが漂っています。

【桃の断面図】アルプス美人

アルプス美人の断面図

アルプス美人の断面図はこちら。
果肉はクリーム色ですが、種のまわりはうっすらと赤みがかっていることがわかります。果肉はかなり硬め。桃の皮も手で剥く事はできませんでした。りんごのようにナイフでスルスルと剥くと食べやすいんじゃないかしら。

【桃の断面図】アルプス美人

硬い桃なのだけれど、なんとなく弾力があるというか…グニグニとした、ちょっとゴムっぽい食感にも感じられました。
酸味がハッキリと感じられますが、もちろん甘さもしっかりと。ただ甘いだけではなく、メリハリのある美味しさと言えばいいのかな。果汁はそこそこなのでジューシーな感じではありませんけれど、硬いのにしっかりと甘い桃という感じでした。
酸味があるからか、ちょっとネクタリンのような感じもします。

【桃の断面図】アルプス美人

桃の断面図を上手に撮影するコツは?

おまけ。
桃の断面図を上手に撮影するコツは、まず硬い桃を選ぶことです。品種特性によりもともと硬い桃ならいいんですけども、そうでない場合は出来るだけ食べ頃よりもちょっと前あたりの硬さの桃を選んでください。
そうすると、アボカド方式でクルリをひねって桃を半分にカットすることが出来るんです。

桃を半分にカットしたあとは、桃の果汁がたっぷりと断面に溢れているので、ティッシュやキッチンペーパーなどで軽く果汁を吸い取ってください。

【桃の断面図】アルプス美人

桃の果汁を吸い取ったあと、つまようじや麺棒などを使い断面に付着している汚れをチマチマと取り除いていきます。これね、すっごい面倒くさいかもだけど、やるとやらないとでは全然違うから…!
いちごだんめん図鑑、りんごだんめん図鑑、2冊の図鑑を出させて頂いたのですが、スタジオでも同じように小さな汚れをチマチマと取り除いていました。
肉眼で見るとあまり気にならなくても、写真で見ると意外と気になるんです。

包丁について来てしまった葉やヘタの残りカスのほかに、桃の繊維なんかもすごい方向に散らばってる場合もあるので、そういうのも綺麗に整えていきます。

【桃の断面図】アルプス美人

左が桃の果汁を吸い取った断面、右がそのまんまの断面。
右のほうが果汁が光に反射してテカッているのがわかりますか?画像の右下あたりです。通販サイトの商品ページなんかの場合は、シズル感が出るので果汁はそのまま残しておいてもいいケースもあるんですけれど、私は出来るだけ断面を綺麗に細やかに見せたいので、こんな工夫をしております。
もし何かの断面を撮影する機会があれば、ぜひ参考になさって下さいね。