わたなべまこのこと

断面図をこよなく愛するわたなべまこのブログ

【桃の断面図】あかつき

【桃の断面図】あかつき

福島県産、あかつき。

福島の桃と言えばあかつき、というほどに福島県民に愛されている品種です。桃の品種は一般の方にはなかなか知られていなかったり、福島県のほかにも桃の産地があるので、知名度がどこまであるのかわかりませんが、桃好きさんだったらご存知の桃ではないでしょうか。

ちなみに私は子供の頃、あまり桃を食べた記憶がありません。あかつきという桃に出会ったのも市場で働くようになってからでした。

【桃の断面図】あかつき

あかつきは白桃白鳳を交配育成して誕生した桃で、1979年に品種登録されました。
8月上旬から出回りはじめる中生種の桃となります。 ちょうど今頃、お盆のシーズンに楽しめる桃なんですよ。

【桃の断面図】あかつき

あかつきの断面図

あかつきの断面図。
外皮は深みのある紅色、少しくすんだような色合いをしています。ほのかに甘い桃の香りが漂うので、カットする前からすでに食べたくなってしまう…。
今回入手したあかつきは大玉でズッシリ、果汁もたっぷりとありました。

【桃の断面図】あかつき

果肉はクリーム色からほんのりと紅色にグラデーションがかかっています。
肉質は緻密。最初は硬さを感じるのですが、熟している部分はとても柔らかく、口の中で溶けるようになくなりました。

【桃の断面図】あかつき

酸味が感じられたのですが、果汁もふんだんにあるのでジューシーで甘い桃、という印象を受けました。手元に届いてから1日置いていたんですけど、この暑さで急激に柔らかくなってしまったみたいで、皮も手でペロンと剥けてしまった(熟してないと剥けないです)。
糖度も高く、桃の主要品種の中では上位を争う人気を誇っているのではないかと思います。品種指定で「あかつきが好き!」という方も私のまわりにはとても多いです。

もともと、育成の段階ではあかつきはそれほど大きな桃ではありませんでした。
紅国見と同様に、小玉の桃は競争力で負けてしまうので、あかつきも商品化を断念せざるを得なかったのですが…。そんな中、唯一、福島県だけが栽培方法をいろいろ試した結果、大玉のあかつきを収穫できる栽培技術を確立。
今では福島県を代表する桃になったのです。

【桃の断面図】あかつき

おまけ。
桃の病気の一種、モモせん孔細菌病を確認できました。これは桃の葉、枝、果実に被害が出てしまう病気なのですが、薬剤のみによる防除が難しいんだそうです。
私は気にせず食べてしまうのですが、見た目がやはりイマイチなのでスーパーなどに出回る事はまずありません。
なので、むしろ観察出来てラッキーでした(笑)。