わたなべまこのこと

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【読書】K-POP時代を航海するコンサート演出記

【読書】K-POP時代を航海するコンサート演出記

先日、およそ2年ぶりに世界的に有名なK-POPアイドル、BTS防弾少年団がソウルにてオフラインコンサートを開催しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、オンラインライブストリーミングやライブビューイングも全世界で実施された結果、3日間に渡る公演の売上高はなんと100億円を超えたんだとか(白目)。
そんな記録的な彼らのコンサートの最終日にちょうど読み終えたのが、こちら。

K-POP時代を航海するコンサート演出
記著/キム・サンウク 訳/岡崎暢子

そう。
タイトルにその名はないものの、BTSと共に世界を魅了した「あのコンサート」「あのツアー」の演出を手掛けた、キム・サンウクPDがコンサートにまつわる全てを書いた本なんです。
本国で発売された当初からARMY(※BTSのファンの総称)の間では話題となっていたようで、日本のARMYからも「日本語訳は出ませんか?」と問い合わせが殺到したんだとか。ほどなくして、日本で発売された日本語訳の本となっています。
私はこの本の存在を知らなかったのですが、BTSが好きならぜひ読んでみて、と紹介されて先日ポチッとネット通販で購入し、手元に届いてから一気に読んでしまいました。

そもそも、BTS防弾少年団)って?

読書感想文を書く前に、もはや説明不要かと思われますが一応BTSについて触れておこうと思います。昨今、日本でもK-POPブームが吹き荒れまくっているのですが、その中でも群を抜いて人気があるボーイズグループ、それがBTSです。
2013年に防弾少年団としてデビューしていますが、世界的な人気を得た事により、2017年にブランドロゴを刷新し、BTSとして活動するようになりました。

早くから日本での活動も行っていたので、もともと日本でもファンは沢山いたと思うんですけれど、ここ数年でDynamiteやButterがヒットし、ファンというほどでもないけれど名前や曲は知ってる!という方も増えたんじゃないかな、と思います。
BTSについては調べるといろんなスゴイ記録や情報が出てくるので、気になった方は検索してみてください。

私がBTSの存在に気づいたのはたぶん2017年か2018年くらいの頃じゃないかな…と思います。世代的にK-POPは第2世代がドンピシャで、どちらかというとボーイズグループよりもガールズグループが好きでした。少女時代とかKARAとかですね。
なので、正直BTSが属する第3世代以降はいまいちピンと来ていなかったんですけれど、この本を教えて下さった方が「最近このグループが好きなんだよね」と何気なく教えてくれたBTSにハマッてしまいまして。さすがに韓国のコンサートにまで足を運ぶ事はできませんでしたが、ライトな感じで推し活を楽しんでいたりします(笑)。

ワールドツアーを回想しながら読むと楽しい

BTSがワールドツアーを行った際は、その土地や国に住んでいる人だけがコンサートに行くのではなく、BTSを追いかけて(!)世界中を飛び回り彼らのコンサートに参戦した、という強者も多くいたみたいです。
日本に住んでいるARMYにとっては、韓国なんて近いもんですから、ちょっと行ってくるね~、って感覚でコンサートに行ってしまうらしい。

このK-POP時代を航海するコンサート演出は、そんな風に実際に彼らのワールドツアーに参加した人はもちろん、私のように行けなかったけれど、公式チャンネルで公開されるビハインドの動画や、ストリーミングで配信されたライブ映像を通じてコンサートに行った気分になれた!…という人でも、どちらでも楽しめる内容になっています。

「ああ、あの時の演出はこういう意図があったのか」
「そうそう、あそこの場面でこんな事があったんだよねえ」
「あのステージの装置、すごく気になってたけどこうなってたのか!」

という、コンサートの裏側がほぼ記載されているので、本を読みながら頭の中にコンサートの映像を再現しつつ、答え合わせをしながら読んでいくと面白いと思いますよ。

エンタメ業界で働きたい人にも読んで欲しい1冊

また、BTSに興味がないという方でも、K-POP界でトップクラスの人気を誇るアイドルグループがどのように世界中を駆け回りワールドツアーを開催したのか、という裏側が記載されていますので、エンタメ業界に興味があるという方にもオススメ。

日本のアイドルと韓国のアイドルは、同じアイドルではあるけれど同列に語る事はできません。日本のアイドルにはもちろん日本のアイドルとしての魅力があると思うのですが、レベルで言うとやっぱり韓国のほうが高いんじゃないかなあ、というのが個人的な感想です。

よく言われるのが、日本のアイドルは成長していく過程をファンが見守り、応援しながら一緒に育っていくというもの。ダンスの完成度や歌唱力よりも、愛嬌だったり可愛いらしさだったりが重要視されます。
韓国のアイドルはデビュー前から何年も練習生として事務所に所属し、毎日ダンスと歌のレッスン、それ以外にも外国語のレッスンを受けていたりするので、デビュー時にはすでに完成された姿を披露することが出来る上に、韓国以外の国でも通用するように仕上がっているんですよね。
ですから、日本のアイドルよりも韓国のアイドルのほうがワールドツアーを開催できる人気や実力を持っているのはある意味当たり前であって、そんなアイドル達のツアーを支えている裏方の視点から沢山の舞台裏事情が記載されているこの本は、エンタメ業界を目指す人にとっても面白いんじゃないかなあ、と思います。